愛する麺たち

麺の話をしていると、「一番好きなお店はどこ?」みたいな展開になることが多々ある。私の場合、つけ麺は即答なのだけれど、らーめんで一番を選ぶとなると難しい。「その時の気分によって食べたいらーめんの味が違うからなあ、一つだけ選ぶのは難しいなあむにゃむにゃ」などと、なんとも歯切れの悪い答えを返している。

それでも、「こういう麺が食べたい日は、やっぱりここだなあ」というお店はある。今週のお題は「東京のおすすめ飲食店TOP5」なので、シーン別に一番おすすめの麺をつらつら書いてみようと思う。

つけ麺を食べたい時

◆麺屋武蔵 鷹虎@高田馬場

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つけ麺はもう、鷹虎一択。大学時代、麺が好きになるきっかけとなったお店。魚介豚骨には食傷気味になりつつあるが、鷹虎の魚介豚骨だけは何年食べ続けても飽きない。むしろ、愛情が増していく。豚骨のインパクトが際立っていて、非常に濃厚なつけ汁。このつけ汁とほろほろに崩れたチャーシューが、太麺にどろりと絡む。一口味わうと、器ごと抱きしめたくなる。

季節の限定麺も好きなんだけど、この季節が終わるともう食べられなくなってしまうのか、と悲しくなってしまうのであまり食べない。並盛はわりと少なめで食べ終わった後に欲求不満になってしまうので、中盛以上が良い。今年も年末の〆麺は鷹虎がいいなあ。

豚骨を食べたい時

◆濃菜麺 井の庄@練馬

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らーめんは、白米に合うものが大好き。れんげに少しごはんをとって、スープの中に浸していただく。れんげの上の即席雑炊。白米に合う、と言えば豚骨スープかな。濃菜麺 井の庄はこってり豚骨醤油に、タンメンのごとく野菜がたっぷりと入っている。健康と不健康の狭間でゆらゆら。

キャベツ、もやし、背脂、たれなどが混ぜこぜになった「ジロベジ」なるトッピングも一緒に注文するのがおすすめ。これまたこってりとしたトッピングなのだけれど、ごはんに乗せたりらーめんに乗せたりして食べるととても美味しい。カレベジ(カレー味)、スッパベジ(パクチー入りでアジアンテイスト)など、種類も色々ある。

ちなみに豚骨100%のスープだったら、中野にある豚野郎がお気に入り。

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一日限定100杯。博多で食べたらーめんのように、ガツンと遠慮なく鼻に届く豚骨の香り。麺を味わいつくしたら、白米、ねぎ、のり、チャーシュー、ごまを入れて雑炊にする。気づけば器の中は空っぽ、スープも残らない。このスープがおそろしく濃厚であるため、細麺だからと甘く見ているとおなかの張り具合がとんでもないことになる。お昼に食べると次の日の朝までごはんがいらないぐらい。

家系を食べたい時

◆吉村家@横浜

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家系も、白米にぴったり。色んなお店を回ったけれど、結局は吉村家を愛している。横浜に降り立ったら必ず食べるらーめん。豚骨よりも醤油味が強くて香りがよい。噛み締めるとじゅわっと旨味の広がる、スモーキーなチャーシューも絶品。

辛味ねぎのトッピングは毎回必ず頼むようになった。ごはんの上にねぎと豆板醤を少量乗せた後、スープでひたひたにした海苔でくるっとそれらを巻き込んで食べる。思い出すだけで震える。

東京の家系なら、武道家が好き。

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こちらは豚骨の主張が強めで、とにかくこってりと重い。空腹のおなかを、ぱんぱんになるまで満たしてくれる。ディズニーシーの帰りに食べて、夢の国から一気に俗世間へと引き戻されたのが懐かしい。いや、ある意味こちらも夢の国かも。

鶏白湯を食べたい時

◆篝@銀座

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最近は鶏白湯におねつ。これも必ず白米をつけたい。篝は行列に並んででも食べたいなあと思えるお店。小料理屋のような洒落た店内と、これまた洒落た器、彩りのよいトッピング、そして黄色味がかったクリーミーなスープが麺にまったりと絡む。上品で繊細な面もちの鶏白湯。

中野のようすけも好き。

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こちらは篝よりも荒々しいイメージの鶏白湯。どろりと濃厚なスープに、しゃきしゃき玉ねぎのアクセントが効いている。最後の方、濃厚すぎてスープの味がよくわからなくなってきた頃に、レモンをこれでもかというほど絞り入れてさっぱりさせるのが楽しい。

徳島らーめんを食べたい時

◆JAC@高円寺

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JACで初めて、徳島ラーメンに出会った。少しとろみのある甘辛いスープ、脂ののった豚バラ肉、そして、生卵。これも白米は必須。(レポートも書いています

代々木の可成家も美味しい。白系が推しらしいのだけれど、私はいつも茶系を注文している。やっぱりこの、こってり甘辛が好き。

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本場の徳島ラーメンが食べたくて、去年は一人で徳島まで行ってきた。東大が一番、味が濃くて美味しかったな。スープとお肉の色がもう素敵。

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激辛麺を食べたい時

◆カラシビつけ麺 鬼金棒@神田

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辛いものが大好き。辛さに強いっていうわけじゃないのだけれど、顔を真っ赤にして「なんでこんな辛いものを頼んでしまったんだろう」と後悔しながらもお箸が止まらない。食べ終わると、すぐにまた食べたくなる。突き抜けた辛さを味わいたい時は、鬼金棒に行く。ここのつけ麺は、店名の通り唐辛子の辛さと花椒のしびれが際立っている。大抵、辛さ、しびれの両方とも増しで注文するのだけれど、あまりの辛さとしびれ具合に食べ終わる頃はぶるぶるしている。つけ汁をたっぷりと絡めとる太麺が、これまたなかなかに鬼畜で良い。最後の方は先っぽにつけ汁を少しだけつけていただく。パクチートッピングはいつも欠かさず。もりもり入っていて嬉しい。

辛い麺といえば、汁なし担々麺も大好き。一番好きな汁なしは、広島のすずらん亭。

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花椒を多めにしていただいた。あまり辛くなさそうな見た目だけれども、香りとしびれが鮮烈でぶるぶるした。上品な細麺。

東京だったら8月に行った阿吽かな。花椒の量が多すぎず少なすぎず絶妙で、ぶるぶるせず美味しくいただけた。激辛、というほどでもないけれど、旨辛い。

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あれ、「東京のおすすめ飲食店TOP5」じゃなくなっている。ご麺なさい。ちがう、ごめんなさい。