2020年までの夢

気付いたら旅を仕事にしていて、毎月様々な国を訪れ、刺激的な日々を送っている。世界は広く、これまで訪問したのはまだ30カ国に過ぎないけれど、この歳にしては貴重な経験をさせてもらっていると思う。

初めて一人旅をしたのは、大学3年生の夏だった。「日本地図は本当に正しいのだろうか」と思ったぼくは、「東京から福岡まで、この地図通りに道が繋がっていたら、地図を信じることにする」と伊能忠敬に喧嘩を売った。

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自転車で飛び出し、箱根の山、暑さ、そして筋肉痛に打ちひしがれた日々。それでも13日後、本州の西の端、関門海峡を前にしたときは、ジワジワと感動が込み上げてきた。

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道はちゃんと繋がっていた。日本地図は正しかった。伊能忠敬はすごい人だった。それは知識ではなく、身体に刻み込まれた記憶となった。

そして、温かい人たちとの出逢いがあった。

「お前さん、そんな荷物くっつけて、どこから来たんだ」

「東京からです」

「どひゃー!これ、持ってけ!」

とイカの丸焼きをくれた鹿児島のおじさん。

「素泊まり2500円」という破格の宿なのに、「良かったら一緒にご飯食べない?」と夜も翌朝も、食卓に誘ってくれた宮崎の宿のおばちゃん。

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ほかにも、受けた恩は数え切れないほどある。初めて訪れた九州の人々は、信じられないほど優しく接してくれた。都会で20年間生きてきたぼくにとっては衝撃的な毎日で、日本を好きになるには、十二分の優しさを受けた。

そして、海外に行くことで、日本の魅力はより浮き彫りになっていった。魅力だけじゃない。

水道水をそのまま飲める、どこに行ってもコンビニがある、注文しなくても水が出てくる、公衆トイレにチップは不要…

日本を出るまでは「当たり前」と思っていたことが、「実は世界では当たり前じゃなかった」ということを旅は気付かせてくれた。ぼくが海外に出て日本の良さに気付くように、海外からやってくる外国人もまた、自国と比べて日本の魅力に気付くのだと思う。

【外国人と一緒に、日本を徒歩で一周しながら、日本の魅力を世界に発信していくこと】

これが2020年までに叶えたい、ぼくの夢だ。実現に向けて、少しずつ前進していきたい。