私は秋がきらいだけれど

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ぐっと冷え込む夜が続いて、スーパーには秋刀魚が並び、秋が色濃く迫っているけれど、私はまだ必死で大好きな夏にしがみついている。

春がくると、周りの誰よりも早く夏服に着替えた。お花見の夜にぶるぶる震えるのは毎年の風物詩。秋には誰よりも遅く夏服を脱ぐ。冷たい風がサンダルの生脚に吹きつけて、「見てるこっちが寒い」と言われることもしばしば。

夏は希望に満ちていたけれど、秋から冬にかけては気分がふさぐ。ウィンタースポーツもまったくやりたくないし。大声で言いたい、「夏を返せ!」って。今からもう、春の終わりが待ち遠しい。

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でも、秋の風は好きだな。なんだか寂しいような澄んだ匂いがして。秋は私にとって出会いと別れの季節で、小さい頃も大人になっても、泣いたり笑ったりと感情の波打つことが多かった。秋の風は、そんな感情の切れ端を少しずつ収集していて、毎年夏が終わるとそっと運んでくる。年々切なさが募って、秋の夜に家から外へ出た瞬間、ふと胸が詰まったりする。

秋って、あっという間に終わってしまう。冬への移り変わりはとても早く、気付いたらコートが手放せなくなっている。この短い期間を存分に楽しむために、ふさいでばかりいないでやりたいことを考えてみようかな。まだ当分はサンダルをしまわないけれど。

高尾山登山

最後に高尾山を登ったのは3年前の秋。なんだか懐かしいな。手作りのお弁当を持っていきたくて、朝5時頃から慣れない料理を作った。確か、チキンのトマト煮のようなものを作って、「お弁当に汁物を入れるなんて信じられない!」と母親に呆れられたのだった。でも、そんなことをぶつくさ言いながらも、少し調味料を加えて美味しくしてくれたり、汁がこぼれないようにアルミホイルなどを駆使してお弁当箱に料理を詰めてくれる、ツンデレな母親なのだ。

実家に帰るのもいいな、秋。

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カワハギ釣り

私が初めてカワハギを釣ったのは去年の秋、だったはず。最近、1年前と2年前が頭のなかでごちゃごちゃになってしまう。とにかくその時、木更津の防波堤へ連れて行っていただいてカワハギ釣りをしたのだ。合わせのタイミングもよくわからず、素人丸出しの釣り方をしていたのだけど、カワハギとウマヅラを釣ることができた。

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さばいていただいて食べたお刺身と肝醤油、美味しかったな。焼き魚も美しい姿。

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今年は、夏にサバを飽きるほど釣った江ノ島大堤防で、カワハギ釣りをしてみようと思う。江ノ島グルメも堪能したい。あ、珊瑚礁でカレーが食べたい。

秋刀魚を楽しむ

秋刀魚のお刺身を味わえる季節がやってきたよ。スーパーに並ぶパックさえ、秋刀魚が入っていると宝石のごとくきらきらして見える。一切れ口に放り込めばとろんとほどけて、脂の余韻がいつまでも残るのだ。

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これまで焼き魚はそれほど好んで食べなかったのだけれど、今年は秋刀魚の炭火焼きに挑戦してみた。粗塩を振ったさんまを両面ぱりっと焼き、醤油を少し垂らしていただく。これが驚くほどおいしい。

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お酒のあてに、いつでも秋刀魚をはべらせておきたいなあ。日本酒も買い込んでおかなくちゃ。


8月の麺めぐり

8月に出会った麺の話をしようと思う。

春先から体調をくずし気味で、好き勝手にごはんを食べられない日々が続いた。すると、胃がみるみるうちに小さくなり、らーめんを一杯食べきるのですら辛くなってきたので、らーめんめぐりからもしばらく離れていた。アイデンティティの崩壊である。

梅雨があけた頃から少しずつ体調が回復し始めたので、行きたかったらーめん屋さんに少しずつ足を運んでいる。今週のお題である「マイブーム」は、麺めぐり。

8月頭の花火大会当日、家族に浴衣の着付けをしてもらうために、西武新宿線に乗って実家へ帰ることにした。電車に乗る前に立ち寄ったのは、野方駅近くにある無鉄砲つけ麺無極。数年ぶりの訪問になる。

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無極の魅力は、豚骨100%のどろどろスープ、そして迫力の極太麺。麺めぐり再開のリハビリにはまったく適していない、パワフルな一杯。浴衣の帯をぎゅっとしめるのがためらわれるほど、おなかがぽんぽこりんになったのだった。
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三越前のアートアクアリウムに金魚を見に行った夜は、近くの室壱羅麺へ。辛味和えそばを注文。さっぱり夏らしい見た目とは裏腹に、力強い味の濃さ。酒飲み用だなあ。ビールも頼んでおけばよかった。

奥多摩キャンプから帰ってきた日は、海辺をぶらりと散歩したい気分だったのでお台場へ行くことになった。お台場に行くなら、田中商店の豚骨らーめんが食べたい。しかし、空腹を我慢できず、お台場に向かうりんかい線に乗る前に渋谷の侍へ寄ってしまう。

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やっぱりライスに合うらーめんって素晴らしい。家系大好き、愛してる。豆板醤をたっぷりとライスの上に乗せ、ライスごとレンゲですくってスープに浸してからいただくのが好き。

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ぽよんと突き出たおなかを抱えながらりんかい線に乗り込んだけれども、お台場で缶チューハイ片手に海辺をお散歩したらまたまた少しおなかが空いてきた。ダイバーシティのフードコートに初めて入り、田中商店のらーめんを注文。去年の夏に九州で食べたような、ガツンとくさみのある豚骨スープを堪能できて興奮した。九州また行きたいよう、恋しいよう。いや、九州よりも先に田中商店の本店に行きたい。

次の週、大原のキャンプ場からの帰りは何を食べるか非常に迷った。外房なので少し南下して勝浦タンタン麺を食べてもよいし、アリランラーメンの八平再訪でもよい。結局、近くの漁港で釣りがしたくなり、釣り糸を垂らしているうちにレンタカー返却の時間が迫ってきたので、帰る途中にある東千葉の杉田家へ。私が溺愛している、吉村家の直系ですって。きゃっきゃ。

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魅惑の呪文、「かためこいめ」を唱える。行者ニンニクなどの卓上トッピングが、吉村家を思い起こさせてなんだかほっこりする。らーめんは脂が濃厚で、醤油味は吉村家よりも少しマイルドな気がした。しかし、これまた私の大好きな武道家や代々木商店よりは、明らかに醤油のつんとした存在感がある。最近、豚骨よりも醤油の方が大きく主張をする家系らーめんを食べたくてしょうがないのです。杉田家はまさにそんなスープで、嬉しくなってしまった。

雨の降る日には、饗 くろ喜に行った。ずっと気になっていたのだけれど、あまり浅草橋まで足を運ぶ機会がなく、念願の一杯。

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まず、彩りの美しさにうっとり。スープは思わず溜め息をついてしまうほど上品。こんなに美味しいと思える塩らーめんにはなかなかめぐりあわない。人気があるのも頷ける。脂ののったチャーシューがお気に入り。
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8月最後の週は、湯島の阿吽へ。ようやく、ようやく!!行けた!!

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つゆなし担々麺は、花椒が鮮烈に香る。三河屋製麺のやや太い麺にクリーミーなたれがこってりと絡み、ボリューミーな一杯だった。
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翌日は、学生時代を過ごした懐かしの高田馬場へ。と言いつつ、卒業してからも結構頻繁に来ている。私が地球上のつけ麺屋さんの中で最も愛している鷹虎があるので。ああ食べたい。

地図を頼りにてくてく歩くと、蔭山を発見。かつて太麺堂や謎麺があった場所だ。懐かしい。懐かしすぎる。

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葉野菜、レモン、糸唐辛子が色鮮やかな鶏白湯。甘めで濃厚なスープは、いくらすすっても飽きがこない。まさにおなかが求めていた味。ライスがこれまた最高に合う。レモンや柚子の爽やかさに、まだ残る夏を感じてみたり。

9月はどんな麺に出会えるかな。今から楽しみでしょうがないのだ。


キャンプの魅力

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先週末、千葉県の大原オートキャンプインで海キャンプをしてきた。その前の週は、奥多摩の海沢キャンプビレッジで川キャンプ。来月は、一番星ヴィレッジへ行く予定。寝ても覚めてもキャンプのことばかり考えている。次はどこへ行こうかな、食事は何を作ろうかな、何か買い足す道具はないかな、って。

道具を買い揃えて、初めてキャンプをしたのは先月のこと。約1ヶ月でこんなにどっぷりのめり込んでしまった。今週は、キャンプの何にこれほど魅せられているのかということを、少し考えてみようと思う。

週末のささやかなお引っ越し

週末を過ごす家を、せっせと作るのがキャンプの醍醐味。作り方次第で過ごし方も変わる。できあがった家は、この土日かぎりのもの。一期一会。出発の朝に、名残惜しさを感じながらテントやタープをたたんでいくのもなんだか借り暮らしっぽくて楽しい。

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家の環境は、キャンプ場によって大きく変わる。木々が生い茂る川沿いだったり、星に近い高原だったり、だだっ広い牧草地だったり、波の音が聞こえる海のそばだったり。どのような環境で週末を過ごしたいかを考えながら、キャンプ場を選ぶ。

キャンプ場でどこの区画にテントを立てるかは、運営側から指定されることも多い。静かな場所かな、賑やかな場所かな、炊事場は近いかな、など、想像を巡らせながらキャンプ場へ向かう。テントを張る場所を自分で決められるキャンプ場もある。木々や地面の様子を見て回りながら、理想の場所を見つけるのが楽しい。

スペースが決まったら、テント、タープを立てる。この配置もなかなか重要。日の昇る方角や風向きなども考慮しつつ決める。タープが立ったら、その下に道具を並べていく。椅子、テーブル、グリル。調理台はここにあると便利かな、ゴミ箱はここに作ろうかなど、引っ越しと一緒で、考えを巡らせる時間が好き。

野外ごはんとお酒

初めてのキャンプにはダンボールや焼き網を持っていって、数日前から漬け込んでいた豚バラブロックを燻製してベーコンを作ったり、こんがりと焼いたイングリッシュマフィンでバーガーを作ったりした。その後、ユニフレームのファイアグリルを手に入れてからは、炭火でお肉や野菜や缶詰などに火を入れて食べている。夜、星空の下でグリルのそばにローチェアを置いて、火にあたりながら食べた即席ラーメンは絶品だった。

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お酒は、ビールを何本かと、日本酒の四合瓶を一本持っていく。知らない銘柄を選ぶと、わくわくする。最初のキャンプで、ウォッカを持っていって二日目の朝に恐ろしい二日酔いに見舞われたため、それからはビール多めでまったり飲むようにしている。

キャンプ場に着いて、テントとタープを立て終わったら、椅子を並べてぷしゅっとビールをあける。火を入れなくていいおつまみをテーブルに並べ、乾杯する瞬間は至福の時。このタイミングのおつまみでこれまで良かったのは、キムチ、あじのお刺身、成城石井で買ったテリーヌ。

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周りの景色を眺めながら、お酒を片手にのんびりおしゃべりする時間。

道具へのこだわり

キャンパーさんのブログを読んでいると、皆さんそれぞれこだわりの道具を持っている。何年も前から使い込んできたグリル、ようやく手に入れた憧れのブランドのテント、自分で木の板を合わせて作ったテーブル。私はまだ数回しか使っていないけれど、それでも道具には愛着が湧いている。週末を一緒に過ごす、大切な道具。もっともっと使い込んでいきたい。

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キャンプ場を散策していると、他のキャンパーさんの設備が目に入る。素敵なサイトだなあと思うところもたくさん。配置なども含めて次回は真似したいな、ときょろきょろしながら歩く。

今ほしいものは、ランタンとダッチオーブン、お米を炊くためのお鍋、それから車……!冬キャンプがしたいので、暖かい寝袋もほしいな。

ゆったりと流れる時間、自然のままに生きる

自然の中に身を置けるのが、キャンプの良いところ。広い空が少しずつ赤く染まり、陽が沈む。夜の闇は濃くて、歩くのもままならないくらい。朝、目を開けた時の明るさにほっとする。時計を見なくても、時間の経過を体感できる。

耳を澄ますと、日頃聞こえない自然の音に包まれる。木々が揺れる音、鳥や虫の鳴く声、川の流れる音、寄せては返す波の音、パチパチと火の粉の散る音。

おなかがいっぱいになったら、キャンプ場近くを散策する。お酒片手に海辺を歩いたり、冷たい川に足を浸してみたり。たまに、予想もしない景色に出会える。海の上に大きくかかる虹。これまで見たこともないぐらい、満天の星空。

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次はどこへ行こう。どんな家を立てて、何を食べよう。どんな景色に出会えるだろう。

海沢キャンプビレッジのレポートはこちら


練馬という町

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「出身は?」と聞かれて「練馬です」と言うと、大抵「へえー」で話が終わってしまう。なので最近は出身地を問われると途端に肩身が狭いような心持ちになり「練馬ですーあまり話が盛り上がらない場所でごめんなさいー何もないんですよ練馬ー」と先回りして謝るようになった。そうすると大方の人が「東京生まれか!シティガールだねー!」なんてフォローをしてくれるので、「いやいやいや練馬区は23区の端っこですし私の住んでるところは歩いて数分で西東京市なのでど田舎ですよー焼畑のにおいとかするんですよー近くの畑にヤギがいるんですよー」となぜか自虐に走ってしまうのが常。あと最近は「へえー練馬!練馬ザファッカーじゃん!」という展開もあるのだけど私は練馬ザファッカーというものをまったく知らないので、「なんですかそれー」とか言ってへにゃらと笑って練馬の話はそこで終わりになる。

方言や観光スポットや有名なご当地料理がある地元って羨ましいなー、地元愛がある人って羨ましいなーといつも思っていた。

ところが最近、旅行中なんかに知らない町の住宅街に迷いこんで、「あ、練馬に似てる」って感じる時、胸がいっぱいになることがある。一人暮らしを始めて、練馬から離れたから余計にかな。練馬という町は、特筆すべきこともない普通の町なのだけれど、私にとっては思い出がたくさんたくさん詰まった大切な場所。踏切や公園のベンチやコンビニを横目にふらりと歩くと、昔の甘酸っぱい感情がふっと思い起こされたりする。

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先日、花火大会のための着付けをしてもらいに実家に帰った。妹がヘアメイク・着付け担当。母親はアシスタント。父親はyoutubeの着付け動画を探して再生する係。久しぶりの実家はとても心地良かった。そして、久しぶりの地元はなんだかとても眩しく見えた。炎天下の歩道を、カメラを片手にふらふらと歩いた。

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大学生の頃、毎日自転車を漕ぎながら横目で見ていた景色。あの頃は今よりも、たくさん悩んで、よく泣いていた。楽しいことと同じぐらい、不安なこと、悲しいこともあった。終電近く、街灯の少ない暗い道路を自転車で疾走し、マンションの駐輪場に入ってほっと一息つく。自転車置場の隣に立ってウィルコムで長電話。なぜかいつも喧嘩になり、深夜にぴーぴー泣いてた。

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中学生の頃、通学路で好きな人を見かけた日は嬉しかった。顔を合わせて話をしたことはほとんどなかったから、残っているのは背中の記憶ばかり。あの頃はとても大きな背中に見えたのだけど、それはきっと私が小さかったから。

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毎日、陽が落ちて暗くなるまで、話が尽きなかった。春には、公園に生い茂った木々の隙間から光が漏れて、あたたかな風が吹いた。私の高校は私服校だったけれど、制服もどきを着て人と並んで自転車を走らせる時間がなんだか誇らしかった。少しずつ少しずつ新しいことを知り、それでもまだ知らないことばかりの世界にどきどきしていた。生物の時間に習った遺伝の話を振り返りながら、私達の子供の血液型は一体何型になるのだろうと真剣に考えたりした。

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練馬にたくさんの思い出を残して、私は高円寺に越してきた。実家は自転車で1時間もかからないほどの距離だけれど、年に数回しか帰らない。たまに家の周りを歩くと、タイムカプセルを開いたかのような気持ちになる。きらきらして、もう戻らないもの。取り出して眺めると、少し息が苦しくなるようなそんな記憶。

でも、タイムカプセルを開けるばかりじゃつまらないから、西武線の黄色い電車に揺られて時たま練馬に行き、新しい思い出を埋めている。もう練馬は私の町ではないけれど、実は美味しいお店がたくさんある素敵な場所なのだ。

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濃菜麺はふとした瞬間に食べたくなる大好きなラーメン。こってりしているのに野菜がたくさん入って健康的。練馬駅で乗り換える用事がある時は、いつも寄っている。前は一人で通っていたけれど、最近は二人で。並ぶ時間も楽しくなった。

なんだかとてもとてもおなかが空いてしまった。次はいつ行こうかな、練馬の濃菜麺。


日本酒の話

初めて日本酒を美味しいと思った日のことを覚えている。場所は新宿の魚真。私は大学3年生だった。銘柄は記憶にないが、飲み口は癖がなくさらりとしていた気がする。暖かい色の照明の下、友人と向きあって新鮮なお刺身の盛り合わせをつつきながら、グラスを口元に運ぶ手が止まらなかった。

日本酒イコール、仕事帰りのおじさまが悩みを忘れるためにあおるやたらアルコールの強いお酒だろう、それか大学生が大手居酒屋チェーンの飲み放題で赤ワインと混ぜて記憶を飛ばして酔っ払うようなお酒だろう、などという私の固定観念はこの時くつがえされた。全国の日本酒を目の前に並べて平謝りしたいぐらい、美味しいお刺身と一緒にいただく日本酒は素晴らしかった。「酒と肴」を楽しむようになったのもこの夜がきっかけだったと思う。

それからというもの、特に日本酒に詳しいわけでもないのに、好きなお酒を問われれば間髪入れずに「日本酒!」と答えるようになった。そのかいあってか、日本酒をこよなく愛する人たちや、素敵な日本酒ばかりを揃えているお店や、そしてもちろんたくさんの美味しい日本酒と出会うことができた。あの魚真での夜から数年が経ち、相変わらず私は日本酒を好きでいる。むしろ愛情は募るばかり。一升瓶を抱きしめたい。

四ツ谷という町が日本酒の聖地である、と知ったのは大学4年生の時。訪れたのは、長野の日本酒を数多く取り揃えた日がさ雨がさだった。ここのプレミアム飲み放題は素晴らしく、20種以上ある日本酒を思う存分堪能できる。あまりに贅沢すぎて笑いが止まらない。はっはっは。日本酒以外のお酒も飲み放題になっているが、大抵行く時は日本酒しか飲まない。お料理も日本酒に合うものばかり。焼き味噌がとても好き。お箸の先にちょんと乗せて、いただく。最高にお酒が進む肴である。

四ツ谷には他にも日本酒を美味しくいただけるお店がたくさんあるのだけれど、そんなお店を巡れる特別なイベントが、8月に催される「大長野酒祭り」である。四ツ谷〜四谷三丁目のエリアにある20軒ほどの飲食店が店内を開放し、そこに長野からやってきた酒蔵のブースが設置される。イベントの参加者は、おちょこを片手に各店舗をまわり、数々の酒蔵の日本酒を飲み比べることができる。お酒のあては、それぞれの飲食店が用意する。肉料理、魚料理、蕎麦など、各店舗ごとに違った味を楽しめるのが良い。

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私は去年が初参加。途方もなく楽しかったので、今年ももちろん申し込んだ。開催日が発表されてから、イベント当日を心待ちにすること数ヶ月。ようやく8月3日がやってきた。日差しの照りつける、暑い暑い日。

お酒を置いている21店舗のうち、3人で15軒ほど回った。1店舗に複数の酒造がブースを出していることもあるので、日本酒をいただいた酒造の数は24ほど。大体の酒蔵が3種類のお酒を用意しているので、1人1種類いただいて、3人でおちょこを交換しながら3種を飲み比べた。6,000円で、食べ放題飲み放題。12:30から17:30まで、酒と肴を味わい尽くした。

数多く飲んだ中で、印象に残った日本酒を3種類紹介させていただきたい。私の好きな、甘みと酸味を備えたフルーティーな日本酒。

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酒千蔵野の川中島幻舞。3年ほど前に池袋の裏やで初めて飲んでから、とても気に入っているお酒。フルーティーで、くどくなく、無限に飲める気がする。おちょこではなく、水筒になみなみと注いでいただきたいぐらい。

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田中屋酒造店の水尾。日がさ雨がさの飲み放題で何度かいただいた。この日は、一番左の水尾を試飲。注いでくれたお兄さんに「メロンとバナナの香りがしますよ」と言われ、鼻を近づけると、漂ってきたのはまぎれもなくメロンとバナナの甘い香りで驚いた。なぜか一本取られたような、「やられたー!」という心持ちになった。水尾ってそれほど甘いイメージを持っていなかったのだけど、これは美味しかったなあ。甘みと酸味のバランスが絶妙。

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笑亀酒造の、笑亀 嘉根満。笑亀はこの日初めて出会ったお酒である。貴醸酒のような、どっしりと濃厚な甘み。夕食後、満腹になったところで、酸味の強いチーズなんかをつまみながらちびちびいただいてみたい。パワフルなので、つまみがなくてもいいぐらい。家に一本あったらいいな。

こうやって、自分好みのお酒に出会えたり、日を改めて訪れたいお店に出会えるのが、大長野酒祭りの素晴らしいところである。9月には、池袋にて酒ふくろう祭が開催されるので、これも非常に楽しみ。参加店舗の裏や、あまてらす、酒菜家は、学生時代の思い出がたっぷりでなんだか甘酸っぱい。最近行っていないな、池袋。日本酒を飲みに、ふらりと出かけたい。