人のなりが見える本

by Thomas Leuthard
憧れの人っていますか?憧れまではいかなくとも、かっこいいなとか凄いなとか、そういう存在って自分を一つ変えるキッカケなんじゃないかなと思うわけです。自分にとっての一つのキッカケが大学の友人だったのですが、その友人は、なんというか身の回りのことや政治のこと、文化のことをすごく俯瞰的に見ていました。一つ一つの言葉の重みや的を得ている考え方にすごく驚いたことを記憶してます。もともと上京するまでは、ずーっとテレビやゲームをして過ごしてきた自分にとって、理解出来るわけもなく、すごいなかっこいいなということばかり思っていました。本棚を見ると人となりが分かると聞いたことがあります。その人がどういう事に興味があって、何を知ろうとしているのかというのが見えて面白いんですよね。見方を変えればとても恥ずかしいことなんですが。その友人が本を読んでいたかどうかは定かではないです。ただ何らかの学びがあってのものだと思いますし、その一つが本であっても不思議ではないと思っています。色々この夏読みたい○選ってタイトルのまとめも沢山でてますね。もっと人が見えたまとめが沢山あれば素敵だなと思います。前振りが長くなりましたが、今日は本について書いていきます。これまで自分が新しく気付きを与えてくれた本を一部です。学生の時に読んだ本ばかりなのでちょっと古いかもしれませんが。よかったら読んでみてください。

美しく怒れ


「芸術は爆発だ!」という言葉で有名な岡本太郎さんの本。「怒る」ということをすごく肯定的にとらえていて、すぐ後ろ向きに考えてしまう自分を、前に進めてくれた本です。
”『ほとんどの人間が何かこの世界の現実に、半身しか入れていない。いや、入れられない状況に在るのだ。この近代機構のなかに、全身全霊をぶつけて生きる場所などほとんどない。自分自身が本当に充実していないから、空虚なリアリズムにうつつをぬかす。代用の生きがいにうつつをぬかして、自分をごまかしてしまうのは空しい』。”

ホモモーベンス-都市と人間の未来


40年も前に書かれた黒川紀章さんの本。全然古い気がしないのと、参考になる考えが詰まってます。

”『情報社会には第一次情報社会の段階と第二次情報社会の段階がある。第一次情報社会とは、どんどん大量に流れてくる情報を、金を出せば出すほど大量に仕入れることができる。大量に仕入れた中で、たらふく食べてみて、それで消化できたものが、その人の栄養になる。つまり情報の価値が貨幣に換算できる時代。
 その次の時代になると、大量に買える情報というのはどこへ行ってもただでもらえる。そのころには消費水準が上がっていて、一人一人の生活は、まったく均一化している。自分が生きがいを求めてより人間らしく生きるためには、独自のユニークな情報を求めなければならない。つまり、クリエーティブな情報の時代になる。そういう第二次情報社会になると、いったいクリエーティブな情報というものは買えるのかどうか。むしろ自分の持つ個性的な情報の対価として物々公開で手に入れるよりほかにないだろうと思う。そのとき、いつでもどこでも自分の望むときに発信し、受信し、フィードバックする能力をもったカプセルは、大きな有効性を発揮するだろう。』”

コミュニティを問い直す


今の暮らしがどういう過程を踏んでいるのかがよく分かる本です。(「BOOK」データベースより)戦後の日本社会で人々は、会社や家族という「共同体」を築き、生活の基盤としてきた。だが、そうした「関係性」のあり方を可能にした経済成長の時代が終わるとともに、個人の社会的孤立は深刻化している。「個人」がしっかりと独立しつつ、いかにして新たなコミュニティを創造するか―この問いの探究こそが、わが国の未来そして地球社会の今後を展望するうえでの中心的課題となろう。本書は、都市、グローバル化、社会保障、地域再生、ケア、科学、公共政策などの多様な観点から、新たな「つながり」の形を掘り下げる大胆な試みである。

独立国家の作り方


モバイルハウスを作る坂口恭平さんの本。当然と思っていた土地のこと、家のこと、暮らしのことが変わりました。内容(「BOOK」データベースより)現政府に文句があるなら、勝手に独立国家をつくっちゃえばいい。匿名化したシステムとは戦わない。何も破壊しない。ただ、歩きかたを変えること。視点を変えること。そして、思考しつづけること。それだけで世界はまったく別の相貌を見せ始める。路上生活のエキスパートたちに教えを請い、歌うように、踊るように、DIYで国をつくった男が語る、いまここにある希望。

中身化する社会

可視化される社会と本質的なものを消費する社会への考察が面白いです。内容(「BOOK」データベースより)生きるうえで大事なことが、変わった。その変化の潮流を示すことが、本書の目的だ。ネットの進化、そしてソーシャルメディアの爆発的普及によって、テレビや広告などによるイメージ操作は、ほぼ効かなくなった。ウソや誇張はすぐに検証され、バレてしまうからだ。商品もサービスも、そして人間までも、その「中身」が可視化され、丸裸にされてしまう社会の中で、もはや人々は見栄や無駄なことにお金や時間を使わなくなる。そして、大量消費的な流行に流されず、衣食住すべてにおいてより本質を追求するようになる。この社会の“新しい次元”に、僕らはどのようにコミュニケーションと生き方を変化させ、対応していくべきなのか。
他にも面白かった本沢山あるんですが、長くなってしまうのでまた次回の機会があれば話しましょう。またこの本を読んだことがある方で、おすすめの本があれば教えて下さい!ではではまた来週に。